盆栽が枯れた原因ワースト3~枯れないコツと、復活させる方法も検証~

盆栽

盆栽を始めてみたいけど「もし枯らしてしまったら可哀そう」と二の足を踏んでいる人は多
いのではないでしょうか。
盆栽は難しいと思い込んでいる人の多くがこの「すぐ枯れる」というところを心配しているまたは既に経験しているとのことですが、枯れる原因を探っていけばそれについての対策も見えてくるということでまとめてみました。
弊園の盆栽の過去の経験と独断と偏見を交えてのお話しです。

盆栽が枯れた原因ワースト3

はじめに結論を言ってしまうと、以下の通りです。

  1. 水切れ
  2. 植え替え失敗
  3. 置き場所

次にそれぞれの原因を詳しく解説していきます。

水切れとは何か…

水切れとは何かをものすごく雑に言ってしまうと、鉢の中の水分が不足し
「根に水分が行かなくなること」です。
ただしこれだけは解説としては少し不足で、根に水が行かなくなった場合には2種類あります。

a.根に水が行かなくなったが幹にまだ水分が残っている状態。

b.根にも幹にも水分が無い状態。

の2つです。
お花屋さんに例えると、aは切り花の状態。bはドライフラワーの状態です。

といった具合に、水切れには2つの状態があるということをここでは知っておいてください。

水切れの原因の代表例

水切れの原因として揚げられるナンバー1が、「水のやり忘れ」です。
そしてナンバー2が、「水やりの回数不足」。水はやっていたのですが日照や乾燥がそれ以上に過酷で乾いてしまったというもの。
そしてナンバー3が「雑草」です。
これは皆さん意外と思われるかもしれませんが割と多く発生します。雑草がどんな悪さをするかというと、蔓延りすぎて盆栽が本来吸うはずの水分を吸ってしまうというもの。

もう一つは、雑草が茂りすぎて水やりの水が用土まで到達できないというものです。両方とも「水やりをしているつもりが、盆栽まで届いていない」という盲点のようなハプニングですので見つけた時はびっくりしますね。

植え替え失敗のパターンとは

植え替え時の失敗パターンは2つあります。まず1つ目は、「根の切り過ぎ」。そして2つ目は「植え替え後の置き場所の失敗」です。
まず根の切り過ぎの説明です。
植え替えの目的が用土の更新と根の整理という中で、気合を入れ過ぎて古い根を過剰にザクザクと切ってしまうというもの。根が必要以上に少なくなってしまった樹は、いわば挿し木と同じようになってしまいます。根の吸水ポイントは根元ではなく根先ですので、根を切り過ぎた樹
は軽い挿し木になっている状態です。

このような状態のときには吸水がままならず水切れの原因となります。
次に植え替え時の置き場所の失敗についてです。
上記のように植え替え直後は、盆栽にとって生命線である吸水が一時的に難ありの状態になっています。
このような時に乾燥、日照過多、水やり不足など悪条件が重なってしまうと枯れの原因になります。
また、元気な時にはメリットだった良好な日当たりや風通しが一転、植え替え直後の盆栽にとっては仇となってしまうことがあります。

置き場所に関する注意点

雑誌やテレビなどで盆栽を目にする事が近年増えてきましたが、そのような時は室内に飾られていることが比較的多いですね。そのため盆栽は普段室内に置くものと思い込んでいる人が一定層存在します。
盆栽は元来野山の自然の中に生息している植物ということで、最適な置き場所は屋外となります。

必要以上に屋内に置いてしまうと、葉色が悪くなる、葉が落ちる、根が弱る(根腐れ)、病気害虫が発生するなどの不具合が起こります。これは、日照不足、通風不足等の原因によるものです。
美観がすべての盆栽にとってはこれらは痛手ですね。
また、エアコンの風が当たる場所、テレビやパソコンなど熱を帯びる可能性のある電化製品の近くなども不具合の原因となります。

枯らさない方法のまとめ

以上を踏まえ、盆栽を枯らさないための方法です。

  • 水やりを習慣化する(乾いたらやるを心がける)
  • 雑草はこまめに抜く
  • 植え替え時に根は切り過ぎない(慣れない内は半分以上残しておく)
  • 植え替え後、2週間は日陰で管理する
  • 普段は屋外で管理する(屋内に飾るのは連続3日まで)以上です。

これらを心がけることにより、大切な盆栽を枯らしてしまうリスクは最小限に抑えることが出来ます。
日々の盆栽管理に取り入れていきましょう。

枯れた盆栽を復活させる方法

最後に、水切れによって枯れた樹を生き返らせる手段について解説していきます。
そもそも一度枯れてしまった樹を蘇らせる事は可能かという話ですが、100%は難しいながら蘇る場合もあるというのが答えです。
簡単に言うと、樹の中に復活するのに十分な水分がまだ残っている状態であればという条件付きで復活は可能です。
では、もし盆栽が水切れで枯れてしまったらどうしたらいいか。
対処方法は以下の通りです。

  1. たっぷり水やりをする
  2. 日陰で管理する

ここで気を付けなければいけないのは、水やり後の管理です。
水切れ後の潅水ということで、水やりを十分に行った後にさらに水浸しにしたい気持ちになってしまいますがそれはダメで、受け皿は置かずに管理しましょう。そして発葉までは出来るだけ蒸散を抑えるために日陰や遮光下で管理しましょう。
幸運にも復活に成功した場合は1か月程で新芽が出てきます。生き返った場合はその後の管理は普段通りで大丈夫です。
以上です。今回は、盆栽が枯れる原因とその対処方法。そして枯れてしまった場合の再生方法について解説しました。日々の盆栽育成に生かしていただけと幸いです。