盆栽素材の増やし方 その2

~種まき(実生)、挿し木で作る盆栽素材~

木には実がなりその中に種子が出来ます。

それを土に蒔くと芽が出て、数年間手を掛けると盆栽に仕立てることが出来ます。

また、剪定した枝を土に挿しておくと枝の根本から根が生え、盆栽の苗として素材を増やすことが出来ます。

このように盆栽は、既に誰かの手で作られた完成品を買うだけではなく、種蒔きや挿し木といった方法で一から作ることが可能です。

今回は前回の種蒔きに続き、「その2」として簡単にできる「挿し木」の方法をまとめてみました。

【挿し木】

挿し木の手順。

① 挿し穂を準備する

最も入手しやすい挿し穂は、盆栽を剪定した枝です。無駄なく活用します。

剪定した自然樹や庭木からも挿し穂は得られます。この場合、将来盆栽の素材として生かせるようできるだけ節間の詰まったものや、葉の小さなものを選ぶようにしましょう。

挿し穂に最適な枝の太さは2~10㎜程度、挿し穂の長さは5~10cm程度です。

挿し穂が用意出来たら適当な器に水を張り、切り口を30分程漬けておく(いわゆる水揚げ)。

鉢(挿し床)を準備する

駄温鉢に鉢底ネットかゴロ石をセットし、赤玉土を入れます。

水をたっぷりとやり、全体的に十分湿らせて置きます。

③ 挿し床に挿す

挿し穂の1/3程度が埋まるよう挿し床に挿します。ぐらつかないように注意しながら挿しましょう。

もしぐらつく場合は、指先で周囲の土を軽く押さえて固定しておきます。

隣同士葉と葉が触れ合うほど鉢の中にびっしり挿してしまっても大丈夫です。

④ 発根までの管理

毎日乾燥しないよう注意しながら水やりを続けます。最低でも1か月程度は日陰で管理しましょう。

置き場所は、直射日光を避けた盆栽棚の下などを活用します。

⑤ 発根後の管理

季節や植物にもよりますが、1~6か月程で発根します。無事に発根した後は通常の盆栽と同様の管理をします。

鉢の底穴から根の先が見えている場合や、挿し穂を指で軽く引っ張ってみて抜けない場合は十分に根が回っている証拠です。

春か秋の適期に一株づつばらしながら鉢上げしましょう。

まとめ

以上、挿し木で作る盆栽素材についてまとめてみました。

剪定した枝と、鉢と土さえあれば簡単にできてしまうのが挿し木の良いところです。

自分好みの盆栽の姿をイメージしながらチャレンジしてみることをおすすめします。来年の楽しみが増えますよ。